承認欲求のリスクヘッジ
SNSで承認欲求を満たしている人は多い。
20代前半の自分もそうだったからあまり強くは言えないが、彼らを好ましくは思わない。
でも、ふとSNSで承認欲求を満たすことはすごく合理的なことのような気がした。
というのも例えば1000人のフォロワーを抱えている場合、彼ら全員からの「いいね」をもらう必要はない。
2~3割のいいねに加えて、10件もコメントがつけば十分に欲求は満たされるだろう。
そこには「残り7割はリアクションをしていない」という事実はあっても、何も問題はない。
これこそ承認欲求におけるリスクヘッジだ。
自分の場合はそうではない。周りに認められたい、褒められたいという感情はほぼ存在しない。
その代わりたった一人、自分が人生の比重を置くただ一人の男に認められ続けたい。
これは極めてタチが悪い。言わずもがな0か100かでしかないから。
株を少しでもかじったことがある人なら「投資はリスクヘッジした方がいい」と教わるはずだ。
突然ブラックマンデーが再来するかもしれない。突然、天災により株価が大暴落するかもしれない。
そうなった時、一極集中していた投資金は霧散してしまうだろう。
昔、中島らも氏が書いた「エキゾティカ」という本の中で、「人の起源について」書かれていたことを思い出す。
元々、人間は一対の大巨人だった。でもそのままでいるといつか落雷で、洪水で命を落とすかもしれない。
だから彼らは小さな個体の分かれて数を増やすことにした。そうすることで一部の人間が不慮の事故に見舞われたとしても残る人類で生き永らえることができる。
結果的にその方が強いのだ、と。
という理由につき、自分も仕事や承認欲求はリスクヘッジする方向で進めていった方が良いのかもしれないなぁとぼんやり思った次第です。